我が家では読み聞かせに力を入れているという話は、これまでも何度かお伝えしました。
2歳半くらいでひらがな・カタカナ・アルファベットを、3歳2ヶ月でフォニックスを覚えてしまってからは、少しスタイルを変えて読み聞かせをするようになったので、その様子を少しご報告したいと思います。
3歳過ぎになると、絵本がただ楽しいというだけではなく、本人もある程度「目的」を持って行動するようになっていますので、その目的を叶える姿を見守ったり、ときにはちょっとした役割を与えてあげると効果的です。
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絵本の「交代読み」とは?
ここでの「交代読み」というのは、文字通りなんですが、1ページずつ、親子で交代で絵本を読むことです。
1ページずつではなく「。」つまり「句点」のところで交代しても良いでしょう。
子どもが自ら音読をするようになって、イントネーションのつけ方、間の取り方なども、どんどん上達しています。
子どもも、自分が参加できるようになったことがとてもうれしいようです。
「交代読み」向けの絵本の選び方
ひらがな・カタカナが読めるようになったら
これまでに読んできた、お気に入りの絵本を本人に選んでもらいます。内容や意味をお子さんが既に理解しているものの方が負担なく始められるでしょう。
レベルとしては、最初は2歳の頃に読んでいたような本に戻るイメージです。
それを1ページずつ、交代で読み、次の日は、読む順番を入れ替えて、前日と違うページを子どもが読めるようにします。
そして、最後まで読んだら「昨日よりスラスラ読めたね!」「間の取り方がいいね!」と良かったところを褒めましょう!
無理強いしないで、あくまでも楽しくやることが続けるコツです。
フォニックスのルールが分かり始めたら、英語でも音読にチャレンジ
英語も自分で読めるようになると、日本語とは違う楽しさがあります。
英語は、ことばそのものにリズムがある言語なので、読んでいるだけで音楽を聴いているような楽しさがあるのです。
ここでも、最初はシンプルなルールで読める単語中心の本を選びます。
こちらで紹介したDr. Seussのシリーズや、CTP Learn to Read、ORTの簡単なレベルのものなどが良いでしょう。
あとは、アメリカで大人気のLeap Frogの教材もオススメです!!
「交代読み」のポイント
1. どこで読むか?どんな姿勢で読むか?
3歳くらいになったら気をつけていきたいのは、姿勢です。
これまではベッドで寝ながら読んだりもしていましたが、姿勢はクセになるので、そろそろ注意していく方が良いでしょう。
気をつけたいポイント
- 両手で絵本を持つ
- 目から絵本までの距離は約30cmに
- 座ったとき、立ったとき、肩の力を抜いて背筋を伸ばす
これを教えるとき「いちばん悪い姿勢はどんな感じ?ダラ〜ンとしてみて!」と最初に言うと子どもが一瞬で楽しい気持ちになってくれます。
そのあと「じゃあ、ピシッ!としてカッコイイ姿勢を見せて!」というと上手にやってくれるので、そのまま交代読みに突入です!
2. 表現力・読解力をつける工夫
すらすらと読めるようになるまでには、少し時間がかかりますが、それができるようになったら、次は表現力を磨いていくことができるようになります。
子どもに「いろんな表現を」といきなり伝えても難しいので、最初は親が例を見せてあげましょう。
声のダイナミクス
- 普通の大きさの声
- 大きな声
- 小さな声
とひとことで言うだけでは不十分です。
大きい声であれば、お部屋の壁に届くくらいの声、隣のお部屋まで聞こえる声、廊下まで届く声(近所迷惑にならない時間と程度に)と少しずつ声量を変化させていきます。
小さい声であれば、ささやき声、横で赤ちゃんが寝ているつもりでね!とか、隣の人にだけ聞こえる声、
自分にだけ聞こえる声、と具体的に伝えてあげると良いでしょう。
声量を調整しながら音読ができると、物語の場面に応じて、使い分けられるようになります。
これが「このお話のクライマックスはここ!」「今、この主人公は悲しい気持ちだから、小さい声」というふうに、読解力を伸ばすことにもつながっていきます。
長く伸ばす、短く切る
「ママ〜、おはよーーーう。」といった、ちょっとくだけた読み方・話し方は、徐々に卒業していけると良いでしょう。
もしそのような読み方をしている場合には
「そうやって音を長く伸ばせるんだね!じゃあ、次は、短くことばを切って、ことばの意味が伝わるように読んでね!どっちがかっこいいかな?」
ともう一度読んでもらいます。
小学校の低学年くらいまでは、まだまだ、そういう喋り方の子もいるかもしれませんが、社会に出ると、そのような読み方・話し方を使う機会は減っていきますし、おかしな喋り方だと捉えられてしまうかもしれません。
特にバイリンガルで育てている以上、正しい言語習得をさせていくためにも、そういった工夫も必要でしょう。
表現力をさらにつけていくために
抽象的な形容詞(うれしい、悲しい)を使っての表現を教える前に、もう少し分かりやすい形で教えてみると良いでしょう。
同じ文章をいろいろな表現で話すことは、結構、難しいものです。
たとえによって例示することによって、少しずついろいろな表現が使えるようになっていきますよ!
例)
- ニュースキャスターのように
- テレビの料理番組のように
- 寝言のように
- お坊さんの真似
- おじいちゃんの真似
- おばあちゃんの真似
- お隣のマダムになったつもりで
- おばけになったつもりで
- サンタさんになったつもりで
- 宇宙人のつもりで
- 大統領の真似
- 八百屋さんの真似
- 先生の真似
感情を表現する
例)
- うれしそうに
- ふざけたように
- 怒っているように
- 悲しそうに
- がっかりして
- 残念そうに
- 喜んで
- やけになって
- いやみっぽく
- 美しい声で
- 緊張した声で
- 驚いたように
- 心配そうに
- 信じられずに
- 泣きながら
- 笑いながら
- すねながら
- 愛情をこめて
バイリンガルで育てていると、よく「日本人なら誰でもわかるような言い回しやニュアンスに弱くなる」と言われます。
例えば、(これを間違えるようなことはあまりないかもしれませんが)
「はい」ということば一つをとっても
- 学校で先生に呼ばれた時
- 友だちにおもちゃを貸してあげるとき
- 友だちにクッキーを配るとき
- 赤ちゃんをあやすとき
- 家の人に、本人のやりたくないことを頼まれ、しぶしぶやるとき
すべて違う表現をしていると思います。
「ちょっと、何見てるの!」ということばも、
- 友だちが遠くを眺めて指を指しているとき
- 誰かがお母さんのカバンの中身を勝手に見ようとしているとき
この2つでは全く違うニュアンスになりますよね。
そういった、自然な日本語の表現力を身につけるためにも、音読のときに楽しくそれらを伝えていけたらと思っています。
3. 読み聞かせと音読の兼ね合いは?
「交代読み」は、お互いの声を聞き、一つの物語を一緒に完成させるような感じで読んでいくと、より親子のつながりを感じられる、とても素敵な方法だと思います。
とはいえ、まだまだ、語彙や視野を広げるという意味でも、これまで通りの読み聞かせも大切です。
絵本で読んだフレーズを実生活の中で使っていくことも増えていると思います。そういった時に、話していることばと、頭の中にあることば、リアルな感情を結びつけてあげると、お子さんの言語スキルがより豊かなものになるでしょう。
自然と、お友達とのやりとりでのフラストレーションも減り、良い形で人間関係を築いて行くことができるようになります。
なかなか手間のかかることではありますが、両方をバランス良く取り入れて、継続して行きましょう!