バイリンガル育児の基礎作り:親の準備として知っておきたい基本的な知識

突然ですが、皆さんはバイリンガルのことどのくらい知っていますか?

バイリンガルとかトリリンガルとか一口に言ってしまいがちですが、そのスキルには色々なレベルがあるそうです。

英語で流暢に会話できているのを見ると、一見とてもカッコイイですが、本当に大事なのは、その先のスキルだと思います。

リスニング、会話、読み、書きの4拍子が揃ったバイリンガル、そしてアカデミックレベルの能力を持ったバイリンガルになるのは、大変なことです。

 

振り返ってみると、自分の学校の友達にも英語の上手な子は何人かいましたが、そのお友達がどのくらいのスキルを持ったバイリンガルなのか、あまりはっきり覚えていません💦

ましてや海外の大学に難なく入り、現地の学生と渡り合えるスキルのある人って・・・(以下、自粛)

 

海外の大学で学んだり、就職したりする、国際的に活躍できるレベルに持っていくには上の4拍子揃っているのは当たり前なんですよね・・・。

さらに、それプラスαの何かが必要。

 

ふぅーーっ  道のりは長いです😅

でも、高みを知り、目指せるというのは良いことです。

 

今日は、私がバイリンガル育児の勉強のために読んだ本、セミナーで学んだことなどのまとめと、娘が0~2歳くらいまでの間にしていたこと、我が家がこれらの過程から学んだことをまとめてみます。

 

バイリンガル、バイリンガル育児について学ぶところからのスタート…

 

日本のいわゆる普通の教育で育った私たち夫婦にとって、アメリカでの出産育児は本当に何もかもが新しいことの連続でした。

自分が体験的に知っていることがあまり役に立たないんですよね(爆)

まずは知るところから始めなくてはならず、最初はなかなか相談できる相手もいなくて心細かったのを覚えています。

夫婦のどちらかがネイティブ、お母さんが帰国子女、という家庭とはまったく違う、0からのスタート。でも、せっかくのこの環境をどうにか生かしたい!という強い意志を持ってスタートした我が家のバイリンガル育児。。

最初に調べた時、色々な方がこの本を推薦されていたので、まずはこれを読むところから始めました。

下が改訂版のようです。


バイリンガルの定義とか、
一口にバイリンガルといっても様々なタイプがあること、言葉の臨界期の話、教育法やケースの紹介がされていて、とても勉強になりました。

でも、この本に自分の育児方針の回答を求めるのは違っているんだろうな、というのが私の結論でした。

 

そして、この辺の本なども一通り読みました。

 

今思い返すと、我が家の場合は、0歳の頃から日本語の読み聞かせを毎日行っていました。

これが大きかった!

コミュニケーションの楽しさを自然に知ってもらっていたこと、第一言語である日本語が年齢以上に伸びていたこと、その上で、英語の耳を作り、英語を話すお友達や先生たちの中で過ごしたことが、自然に英語の環境に馴染むのに役立ちました。

 

これは私の憶測ですが、もし3歳くらいから英語保育をいきなり始めたら、うちの子は英語を勉強することを断固拒否するようになってしまったのではないかと思います。

子どもの性格に合わせて、”これが当たり前よっ!”という感じで、赤ちゃんのうちから現地の保育園に入れてしまったのが良かった気がします。

お友達がみんな英語を話しているから、自分も英語で伝えたいという自然なモチベーションが備わったとでもいいましょうか。

 

一般論と我が子は違う。正しい情報を求め続けること、ケースバイケースに考えることの大切さ。

 

上記のような日本語のバイリンガル育児系の本の多くに “何らかの1言語を「母語」として確立し、それを使って思考・論理を組み立てられるように頭が準備されず、第2言語以降をうまく取り込んでいけない”というようなことが書いてあるのですが、うちの子はそうでもない様子でした。

彼女は保育園で自分より小さなお友達が英語を覚えていくのを真似するようになり、その子と一緒に英語を吸収していくようでした。

娘は、1歳年下の男の子の友達が話しているのを誰に教わるでもなく、いつも隣に行っては彼の会話をshadowingしていました。

子どもは、みんな “natural learner” なんだ!!! と気付かされました。

必要に駆られれば自分でどんどん覚えていきます。

その子の生まれ持った能力や性格、親が与えられるもの、日常の環境など、一人一人条件が違うのだから、ケースバイケースに考えるべきだろう、と考えるようになりました。

今でも、その判断は正解だったと思っています。本当に、日本語と同じように、みるみる英語を吸収していきました。

この、1~3歳くらいまでの週3、フルタイムの英語環境のおかげで、彼女の英語耳はものすごく良くなったように思います。



日本のバイリンガル教育本は “子どもに英語をどう教えるか”という視点のものが本当に多いのですが、このプラクティカルガイドは、より欧米の一般的なバイリンガル育児の様子がわかってよかったです。

海外にいると、バイリンガル、トリリンガル、マルチリンガルは、結構普通にいるんですよね。それは、みんな小さい頃から当たり前に努力して来たっていうことなんですね。それがみんなにとって、普通のこと。

日本人が、小さな島国の中で同じ民族、同じ言語だけで暮らしているっていうのは、国際的にはとても少数派なんですよね。

 

あとで、バイリンガル育児のセミナーに参加して知ったのは、それぞれの言語のバケツのようなものがあり、そこにどれだけ言葉のプールができているかが肝心だということ。

つまり、日本語と英語、両方のバケツを満たしてあげることが大切ということでした。

 

ですが、私たちはそれを知らなかったので、両方の言語のバケツを満たす工夫をし始めたのは3歳間近になってからでした。それまでは、親は敢えて英語は教えないという方針で自宅では日本語を伸ばすことに主に注力していました。

時々英語の絵本も読んだり、ディズニーのアニメを英語で見たりはしていましたが、意図的に教えることはしていなかったんです。

 

そういうわけで、ちょっと危なっかしい状況になりそうでしたが💦

学校で英語が苦手だ、うまく話せない、という劣等感が出来上がってしまう前のギリギリのタイミングで、正しい情報をキャッチすることができたようです。

英語のインプットとアウトプットを思い切って増やし始め、彼女が劣等感で苛まれてしまう前に、どうにか間に合ったかな?という印象です。

 

セラピスト的視点でいうと、やはり、3歳にもなると、言葉のスキル不足のせいで想いを伝えられないだけなのに、自分には能力がないと思い込んでしまう子もいると思います。

自分への洞察がしっかりある子は特にそうです。毎日学校にいくたびに「自分は英語ができない、下手だ、話が通じない」ということが続けば、必然的に自己肯定感だって、ボロボロになってしまいます。

ですから、我が家のようなパターンは、”話せなくても読み書きはしっかりできる!”という自信をつけてあげる必要があります。

得意なところをしっかり作ってあげることが大事なんですね。そして、できたらとにかく良く褒め、抱きしめる。頑張っていることを認め、一人の人間としての敬意をもって接する。

とはいえ、我が家の場合は日頃から、しつこいくらいにいっぱい抱きしめていますが(笑)
(→何かができたから素晴らしいとか愛しているとかそういうことではないですので、日頃からというのが大事だと思います。子どもの存在の尊さや、子どもへの愛情を、とにかくよく伝えるようにしています。)

 

 

まとめ:私が0~2歳のバイリンガル育児の基礎作りで学んだこと

 

  • 毎日の読み聞かせやコミュニケーションの楽しさをしてもらう努力、日々のスキンシップを通じた親子の絆があることが前提。
  • その上で、他言語の環境が当たり前だと認識してもらうように、親が環境を準備。
  • 本人の性格に合わせて、少しずつインプット。ただし第一言語を怠らないこと。
  • 英語環境において、劣等感を極力感じさせないように親が協力すること。
    (自分の英語が遅れているという認識が本人にあるのなら、どんどん教えて、サポートして良い。できたらとにかく良く褒め、抱きしめる。)

 

今振り返ってみると、こんな感じになるんじゃないかと思います。

反省&自戒もこめてここに綴っておきます。

ぜひ、育児本を鵜呑みにしないでご自分のお子さんと向き合って、最善の方法を見つけていくことをお勧めいたします。

我が家も引き続き、試行錯誤しながら頑張って行きたいと思います😊

 

ABOUTこの記事をかいた人

アメリカで娘を出産し、バイリンガル育児をしている精神科医ママの日記です。メンタルヘルスの専門家としての視点や、研究論文などから得たヒントをもとに上手な声かけや楽しく学ぶ習慣作りをし、親子ともに楽しくストレスの少ない子育てを心がけています。英語の絵本やおすすめ教材、健康管理や家事の時短のコツなど、日々の試みから役に立ったことなどを発信中です。