産後の体調変化で月経前症候群(PMS)に悩まされるようになりました。
最初のうちは気づかず「どうしてこんなに体調に波があるんだろう・・・」と思っていましたが、色々なことを調べたり試したりするうちに、それがPMSのせいであることを確信しました。
周りにも同じようなことを言っている友人知人が何人もいますから、30台は女性のデリケートな身体にとって変化の時期なのですね。
PMSだけでは一見どこも悪くないように見えますから、自分から説明しなければ周囲の理解は得難いですし、毎月のことなので子どもの行事や仕事に支障が出たりもしてしまいます。それに、気分のアップダウンやイライラには、自分もホトホト疲れてしまうので放っておくわけにもいきません。
私の場合は、頭痛と吐き気があまりにひどくて寝込んでしまうこともあり、家族に毎月迷惑をかけてしまっていました。
子どもは、お母さんが具合が悪そうにしているとものすごく心配になるようです。体調が悪くても、子どもの前ではいつも笑って、楽しく過ごしたいですよね。
そういうわけで、治療を始め、様々な生活改善を試み、最終的には病院で低用量ピルを処方してもらうことになり、今はおかげさまで随分良くなっています。
ワーママは本当にやることが多く、つい自分のことを後回しにしてしまいがちですが、毎日の生活を良い状態で維持するためには日頃からの健康管理は欠かせません。
もし一人で悩んでいる方がいらっしゃったら、ぜひ参考にしてみてください。
月経前症候群(PMS)とは?
PMSは20台くらいから症状が出てくる方も多いそうです。生理前のイライラや頭痛、だるさ、むくみ、吐き気などに悩んでいる女性は70~80%にも昇ると言われています。
PMS(月経前症候群)とは“Premenstrual Syndrome”という英語の略称です。生理の3〜10日位前から起こる心やカラダの不調で、生理が来ると症状が改善し、無くなるものを指します。
これほど多くの女性を困らせているPMSですが、まだ認知度は低く、生活に支障が出るほど症状が重いのに対処法がわからず悩んでいる方も多いそうです。周囲に理解されないという別の苦しみもあります。
PMSの代表的な症状
身体的なもの
- 頭痛
- 肩こり
- 腰痛、下腹部痛
- 便秘、下痢
- むくみ
- 胸の張り
- 過食・拒食傾向
- 味覚の変化
- 肌荒れ、湿疹
- 冷え性
- 耳鳴り
- 関節痛
- めまい
- 吐き気
- のぼせ、ほてり
心理的なもの
- 情緒不安定になり、涙もろくなる
- 無気力になる
- 理由もなく憂鬱になる
- ちょっとしたことで死にたくなるほど落ち込む
- イライラしやすくなる
- 否定的、悲観的になる
- 性欲が異常に増進・減退する
- 身近な人とケンカしやすくなる
- 感情的になりやすく、暴言をはきやすくなる
- 人づきあいが面倒くさくなる
- 集中力、判断力が低下する
- 暴飲暴食になる
- 衝動買いしたくなる
原因は、ホルモンバランスの変化とそれにより引き起こされる多様な現象
これらのPMD/PMDDには、排卵後に訪れる「黄体期」に分泌される女性ホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」の急激な変動が関わっていると考えられています。
「プロスタグランジン」という物質が生理直前から急増するため、血管が収縮して体の冷えやだるさをもたらしたり、内臓の周りの筋肉の収縮により胃痛や吐き気、下痢といった消化器症状が出現するそうです。
PMSの吐き気なのか妊娠超初期の吐き気なのかは見分けにくいことが多く、妊活中の方はガッカリしたことがあるかもしれません。基礎体温を毎日測り記録に残していると見分けがつきやすくなります。
さらに、生理前は「インスリン」(血糖値を下げるホルモン)の効果が低下し、血糖値が上がりやすくなるため、この上がった血糖値を下げるために普段より多量のインスリンが必要になります。 それにより、食事から2〜3時間後に低血糖を生じやすくなって、甘いものが食べたくなる、といった症状が出るのです。
また、脳内の「セロトニン」という物質が低下すると、うつ症状やネガティブ思考など気持ちが不安定になります。 こういった場合は、PMSの中で特にメンタル系の症状が強い場合はPMDD(月経前不機嫌性障害)と診断されます。その場合は放置しない方が良いこともあり、抗うつ薬が有効なケースもあります。
その他にも、例えば、ホルモンの働きで水分を身体から排出しにくくなると、むくみの原因になります。それが乳房にたまれば乳房の痛みに、頭にたまれば頭痛を引き起こしますし、倦怠感を生じることもあります。
出産したことがない女性は体調面での不調を訴えることが多く、出産したことがある女性は精神面での不調がでやすいようです。
PMSを疑う前にチェックすべきなのは、貧血!
なんとなくだるい、立ちくらみやめまいがする、肩こりがひどい、頭が重い、イライラする、 むくみやすい、動機や息切れがする・・・
こういった症状を呈するのはPMSだけではありません。
40代を過ぎた人ならば更年期障害の可能性もありますが、20代30代でこういった不定愁訴に悩まされている場合、貧血になっている可能性があります。
生理前にぐっと症状が辛くなるのだからPMSだ、と感じていても、根底に鉄欠乏があればダブルで症状を感じている状況になりますので注意が必要です。
鉄分を多く含む食品を摂りましょう!ビタミンCなどと一緒に摂取すると吸収力がアップします。吸収を阻害するカフェイン入りの飲み物は避けましょう。
牛・豚・鶏のレバー、牛の赤身
カツオ、マグロ、イワシ
あさり、ホタテ、赤貝など貝類
ほうれん草、小松菜、そらまめ
豆腐、かぶや大根の葉、切り干し大根
PMSの対処法にはどのようなものがあるか?
1. ライフスタイルの改善がすべての基本
PMSが重くなりがちなケースに共通すること
- たばこ、お酒、カフェイン、不規則な食生活
- ストレスフルな生活、ハードワーク
- 真面目で几帳面、完全主義的といった性格
- 風邪などの体調不良
もし当てはまっているようであれば、具体的に決めて、改善してみましょう。
- 決まった時間に就寝・起床する
- ストレスをため込まないよう、コーピング方法を探す
- バランスのとれた食事
- アルコール・塩分・カフェインの取りすぎを避ける、
- たばこをやめる
- 有酸素運動をする、など
2. 症状に合わせた対応をする
食欲増進、イライラ
血糖値の急激な変化を起こさないように工夫をすることができます。
すぐに血糖値が上がるチョコレートやお菓子、砂糖や果物を避け、ゆっくりと血糖値を上げてくれる穀物類やいも類、豆類を摂取します。
食事の1回量を少なめにし、1日に4~6食とします。
頭痛、むくみ、腰痛
塩分、アルコールを控え、利尿作用のあるビタミンEを含む食べ物を摂取する。(乾燥豆、木の実、全粒の食品など)
情緒不安定、落ち着かない
神経の興奮を抑えたり、ホルモンバランスを整える工夫をします。
カフェイン入りの飲み物を減らすことと、以下の食べ物が良いとされています。
- ビタミンB6、カルシウム、マグネシウム(かつお、レバー、ナッツ類、海藻類など)
- 女性ホルモンに似た働きのあるイソフラボン豆腐、豆乳など)
- 神経伝達物質の代謝に関与しているビタミンE(ブロッコリー、アーモンドなど)
参考までに、このようなサプリメントやハーブティーなどを試してみるのもアリでしょう。
(注:当サイトでこれらの商品の効果を科学的に保証することはできませんので、ご自分の責任で使用してください)
3. 有酸素運動や軽い運動も効果的
PMSで気持ちがふさぎ込んでいるときは、家にひきこもりがちになってしまいます。
ですが、こういうときこそ、軽い運動をしてみると気分転換にもなり、代謝も良くなるためPMSが軽減することがあります。
4. 困ったときは医薬品に頼ることも大切
症状別に、使用可能な薬の例を挙げてみます。
西洋医学的な治療薬
症状 | 治療薬 |
全体的な症状 | 低用量ピル |
うつ症状、情緒不安定 | SSRI (抗うつ薬) |
肌荒れ・にきび | ビタミン剤 (Vit C,Bが含まれているもの) |
頭痛・腰痛 | 鎮痛剤 |
吐き気 | 吐き気止め、酔い止め |
下痢・便秘 | 整腸剤・下痢止め |
婦人科でPMSについて相談をすると、低用量ピルをすすめられることが多いでしょう。効果があれば症状が次の生理までに改善しますので、試す価値はあると思います。
体質や喫煙の有無、他の併存疾患などにより、低用量ピルが使用できない場合もありますから、まずは医師の診断を受けてから使用することになります。
そして最近、プレフェミンという、西洋ハーブ医薬品というものも薬局で買えるそうです。
1日1錠、30錠入りで1,800円(税抜き)です。
出典:http://www.zeria.co.jp/image/upimg/mv14101416311.pdf
東洋医学的な治療薬 (漢方薬)
低用量ピルが処方できない場合や副作用などで続けられない場合、低用量ピルの使用に対し主治医が積極的でない場合などに用いられます。
漢方薬と言えども、薬ですので副作用はあります。自分の「証」と呼ばれる体質を医師に見極めてもらって選んでください。
PMS症状向け | PMDD症状向け | |
実証 | 桃核承気湯 | 女神散 |
中間症 | 桂枝茯苓丸 | 加味逍遙散 |
虚証 | 当帰芍薬散 | 抑肝散 |
「実証」とはがっちりした体形で体力のある人
「中間証」これらの中間の人
「虚証」とは細身で体力のない人
その他、サプリメントなど
サプリメントの効果を科学的な根拠を持って説明したり保証することはできませんが、どうしても薬は嫌だ、避けたい、でも何かできることをしたいという方のために、ご紹介します。
チェストベリー
プラセンタ
コラーゲン、植物プラセンタ、鉄、ヒアルロン酸、エラスチンを同時配合した美容サプリメント。
アロマテラピー
ネロリとクラリセージには心を落ち着かせたり、緊張感を和らげる効果があります。寝室などで寝る前のリラックスタイムに香りを用いるのは良さそうですね。
(注:運転や飲酒の前は使用を避けてください。)
忙しい毎日の中、時間を作って病院に行くのはハードルが高いと感じている方もかなりいらっしゃるようなので、ここでは西洋・東洋医学、それから代替医療と、色々ピックアップしてみました。
(*中には科学的、医学的な根拠を持って説明できないものもありますがご了承ください。)
私個人の意見としてオススメしたい方法は、まず、コーヒーや紅茶、アルコール、といった嗜好品、毎日の食事の内容を見直し、軽い運動をしながら、手帳などに具合の悪かった日の症状と食べたもの、飲んだもの、睡眠時間などを記録することです。
記録をしておけば、自分の体調が悪くなるパターンが掴めます。そして、そのパターンに応じて、対策をすると効果的です。
生活改善や運動の効果はすぐに現れませんので、症状があまりに辛くてすぐにでも解決したいという方は、迷わず病院で相談することをお勧めします。
一人で悩み続けるよりも、専門家のアドバイスを受け入れることで、速やかにいつもの生活を取り戻せるかもしれませんよ😊