優秀な人を育てるユダヤ式の教育とその影響、ユダヤ系プリスクールで遊ぶように学ぶということの意味

こちらではクリスマスの話題が続いていましたが、今年はユダヤ教のハヌカのお祭りにも参加してきました。

アメリカの子ども達にも良く知られているユダヤ教の光のお祭り、ハヌカ(Hanukkah)のお祝いを体験

2017.01.04

実は私たちの周りにはユダヤ系の方々がたくさんいます。

今日はその方々から学んだことや、ユダヤ式の教育、ユダヤ系プリスクールでの学びについて知っていること、調べたことを書いていきます。

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ユダヤ教の教えと、その独特な教育法

ユダヤ人たちの生き残る知恵は教育だった

ユダヤ人は世界で1300万人ととても少ないのにも関わらず、私の勤め先にはかなりの数のユダヤ系ドクターがいます。そして、その他の学部の教授陣にもずらっとユダヤ系の方々が…。

彼らのネットワークと、優秀さには、本当に圧倒されてしまいます。

世界的にも起業家やノーベル賞受賞者が多く、金融界やビジネス界を牛耳っていると言われており、その秘密は教育法にあるとされています。

歴史的に迫害を受けてきたユダヤ人たちは、”知恵は盗まれない””教育こそが投資”といった考えで「子どもの持っているものを引き出す」ということをとても重要視しています。

そのために、

  • 学ぶのは楽しいことだと教えること
  • 子供を信頼する

この2つを徹底的に行っていくのです。

ユダヤ式7つの教育方針とは?

1. 良質の本に常に触れられる環境を整える

百科事典、地図、外国語の辞書などを本棚に揃え、特に子供の目線である最下段に子供の想像力を刺激する内容の本を置くことが大切。

大判の写真や絵の入った本、自然・芸術関連の本、物語の本が良いでしょう。特にリビングには本棚を置くのがオススメで、そのような環境を作ることで子供が自然に読書を好きになります。分からないことを自然に自分で調べる癖をつけさせます。

また子どもが何かに興味を持ったら、すぐに関連した本を与えるのも非常に良いことです。

2. 子どもをよく観察する

子どもが何に興味を持つかを、よく観察する。そして子供たちの好奇心をくすぐり、冒険することをサポートします。子どもが興味を持ったものがあれば、博物館などの場所に連れていき体験させます。

3. 見せる、体験させる、感動させる!

博物館、美術館、本屋、コンサート、史跡など上質な情報にどんどん触れさせます。苦労して連れて行った場所で子どもが目を輝かせなかったとしてもがっかりせず、継続することが大切です。

子ども目を輝かせるまで、いろいろなところへ連れて行き、体験させ、選択肢を増やしてあげながら、子ども自身が興味を持つものを探していく手助けをするのです。

4. 子どもの意見を尊重する。「どう思う?」「よく思いついたね」「いっしょに答えを探そう!」のことば

質問することで子供に考えさせ、自分の意見を持ってもらいます。そして親自身も答えが分からない場合は、それを素直に伝えて一緒に答えを探すのが良い姿勢。

5. 言葉と態度で「信じてる」と示す、信頼していることを伝える

子どもを信頼しているということを、オーバーなくらいにアピールしましょう。

6. 「親がボス」であることを忘れない

子どもを尊重すると言っても、対等になってはいけません。親として一つの“価値観”を示し、何が正しくて何が正しくないのかを教えなければいけないのです。

7. 適切な時期が来たら、親離れさせる

 

この本に、もう少し詳しいことが書いてあります!

読んでみたらじつは我が家で常々行っていることがかなりたくさん書かれていてビックリしてしまいました(笑)

これらのユダヤ式教育法を実際に体験させてみて

ユダヤ系の教育は奥が深く、長い目で見て効果的

周りのドクター達や教授達のお話を聞いていると、自然とその教育法が話題になることがあります。

子育ての悩みをボソッと言ったりすると「◯◯するといいわよ!」とか、「私が子どもの頃はこんなことをした…」とか、自然と話に出てきて、良かったものは私も取り入れているので、我が家は結構影響を受けていると思います。

中には、若い頃、イスラエルから命からがら亡命してきたという教授もいました。命をかけて渡米し、アメリカで勉強で身を立てるために英語も含め相当な努力をしたそうです。

研修医の一人には、CAをやめて医者になった人がいました。英語がアメリカの大学のレベルに追いつかなかったためコミカレに入り、英語を専攻してから州立大学、医学大学院へと進学。

どの話もなかなか壮絶な道のりで、大変だったことが容易に想像できます…。

でも、当の本人は結構楽しそうだったり、あっけらかんと話してくれたり。みんなタフで、学ぶことに対して常にポジティブです。

 

ユダヤ系のプリスクールで行われている教育とは

私自身が子どもには「学ぶことは面白い」ということを小さいうちに心から感じて欲しいと思っていたので、ユダヤ系のプリスクールを選びました。

学校と私たちの子育ての方針があっているということもありますが、ここの先生たちには感謝してもしきれないくらい、大切なものを与えてもらったと思っています。

プリスクールで子ども達は、45分ごとのプログラムに沿って、部屋を移動しながら丸一日でかなりたくさんのことを学びます。学ぶといっても、歌や読み聞かせ、遊びやアクティビティーをかなり多めに取り入れており、楽しいことばかりです。

例えば、3歳児クラスですが、太陽系の惑星はすべて言えますし、スペースシャトルや宇宙飛行士の仕事などについても知っています。

これを教えるためにプリスクールに用意されていたのはNASAの宇宙飛行士のコスチュームやスペースシャトルの模型、太陽系の模型、惑星の絵のパズル、絵本、といったものです。

娘が言うところによると「コスプレしたり模型で遊びながら先生たちがどんどん面白い話をしてくれ、気づいたら覚えちゃった!」ということなんだそうです。

そんな感じで、アートの時間にはピカソやミケランジェロ、モネ、アンリ・マティスなど色々と教えてもらい、美術館に行くと教えてくれます。かなり色々な名作を学校で見ているようです。そのかわり洋服はしょっちゅう絵の具だらけで帰ってきますが(笑)

スポーツの時間には、サッカーやバスケ、野球など毎週プロのコーチが来て45分楽しく教えてもらっていて、公園で遊ぶときにもサッカーはみるみる上達しているのがわかります。

迎えに行くと「もっと遅く来て!」と文句を言われてしまうくらい、学校が好きでたまらないんですよ…!

楽しいから、継続できる、努力できるというシンプルな話

人間は誰でも、楽しくないことはやりたくないですよね…。

私もです。

子どもならなおさら!です。

ただ、楽しくないことは、生活していれば随所にあるのが当たり前で、それを「なんとか、楽しんでしまえる」というのがタフさの一つの要素とも言えるのではないかと思います。

「楽しいことしかしない」という人もいるかもしれませんが😅

私の周りの憧れの先生たちは、本当に「何でも楽しめる」「一生学び続けられる」そんな感じの人たちです。楽しみ方を見つけるのが上手いですし、興味の範囲が広く深いです。

そして、それを人の役に立つレベルに持っていくことが当たり前だと思っていて、実現する力も高いです。

やはり、根底にあるのは「学ぶことは楽しいこと」という気持ちをとことん知っているということなのでしょう。

そういうわけで、我が子には、引き続き学校の方針に合わせて、「学ぶことは楽しい」ということを体験し続けてもらいたいと思っています。

自分自身も、引き続き、子どもを良く見て、考え、試行錯誤しながら、子育てを楽しんでいきたいと思います。

2017年もどうぞ宜しくお願い致します!

 

ABOUTこの記事をかいた人

アメリカで娘を出産し、バイリンガル育児をしている精神科医ママの日記です。メンタルヘルスの専門家としての視点や、研究論文などから得たヒントをもとに上手な声かけや楽しく学ぶ習慣作りをし、親子ともに楽しくストレスの少ない子育てを心がけています。英語の絵本やおすすめ教材、健康管理や家事の時短のコツなど、日々の試みから役に立ったことなどを発信中です。